ゴ オ ウ
Oriental Bezoar
BEZOAR BOVIS
牛  黄

ゴオウは、ウシ科(Bovidae)のウシBos taurus L. var. domesticus GMELIN の胆嚢もしくは胆管中に
生じた結石を採集し乾燥したものである。
ウシの胆石だけに効果があって他の動物の胆石は薬にならないのは、ウシの胆石の構成成分が主に、
胆汁酸(Cholic acid)とビリルビン複合体であり、人間の胆石はコレステロール結石でウシのこれとは成
分が異なっています。
つまり、コール酸とビリルビンが効果に関係していると考えられます。
入荷時 商品包装状態
開 封
商品選別○は良質部位
 ゴオウの成分・組成
    胆汁色素    ビリルビン(+)Na
     (ビリルビン) ビリルビン(+)Na
    胆汁酸 デオキシコール酸(+)グリシンorタウリン(+)Na
      (コール酸) ケノデオキシコール酸(+)グリシンorタウリン(+)Na
リトコール酸(+)グリシンorタウリン(+)Na
    グリココール酸 コール酸(+)グリシン(+)Na 選別された玉
    タウロコール酸 コール酸(+)タウリン(+)Na
    コレステロール・レシチン・カロチン・VD・脂肪・無機塩・その他微量
 ゴオウの薬能 
      中医学的利用 牛黄は心を清し、毒を解し、竅(きょう)を開き、痰を豁(ひら)き、驚を定める効があり
熱病で反狂し譫(せん)言するもの、驚癇痙攣、中風痰厥喉痺癰疽疔瘡などの症に用いる
      日本的利用: 鎮痙、鎮静、強心、解熱、解毒、中風、熱病、心悸亢進、抗炎症
作用物質
血圧降下作用の作用物質: cholic acid、desoxycholic acid、胆汁酸、ビリルビン、ビリベルジン
鎮痙作用の作用物質:
desoxycholic acid、taurine
胆汁分泌促進物質:
ペプチド様物質(平滑筋縮性物質=SMC)
抗活性酸素作用:
ビリルビン・ビルベルジン(ビリルビン複合体)
 最近情報
  抗活性酸素作用
     ゴオウの成分のビリルビンやビリベルジンにはビタミンEの3倍強力な抗活性酸素作用が認めら
    れております。  この作用はキサンチンーキサンチンオキシダーゼ(酸素とその基質)系によって
    産出されるスーパーオキシドという活性酸素を補足する活性で確認されています。また、脂質を
    過酸化する能力でも確認されています。
    活性酸素は生体内ではもともと白血球の殺菌に役立っていますが、過剰になると細胞膜などの
    構成要素である脂質を過酸化することにより、細胞障害や細胞の老化を引き起こすことが知られ
    ています、活性酸素は脳卒中の後遺症の程度、肝障害、動脈硬化などに関係しています。
  免疫系に対する作用
    ゴオウの免疫系に対する作用は遅延型過敏反応、補体型、網内系、貧食能、各種アレルギー
     モデルに対して検討されております。遅延型過敏反応においては免疫力が低下している状態
    (アレルギー状態)ときはこれを抑制する傾向が認められた。
    生薬は多種類の成分を含んでいるのでこのような都合のよい作用を示すとも言われております、
    ジャコウも免疫系に対して似た作用を示します。
  抗アレルギー作用
      ゴオウの成分ビリベルジンには抗アレルギー作用が報告されています。
  血圧降下作用
    本能性高血圧の実験モデルとして、遺伝的な高血圧のラット、「自然発症高血圧ラット(SHR)」
    が知られております、ゴオウはこのSHRの血圧上昇を抑制する事が知られております。
  下熱作用
     ラットに、発熱物質として、乾燥酵母を投与しますと発熱します、このときゴオウを与えますと顕著
     な下熱作用が認められます。
 ゴオウの性状と味
    大きさは大、小さまざまであるが、通常径1〜4cmの球形または塊状、時に三角錐状、サイコロ状
    のものもある。表面は黄褐色〜赤褐色、空気に長時間ふれると酸化されて次第に黒褐色になる。
    質は軽く、やや生臭い匂いを覚える精気があり、味は微かに苦味に中に甘味のあるものが佳品で
    ある。
    破砕面には赤褐色〜黄褐色の年輪様の層紋が規制正しく並行しており、噛むと咀嚼感が滑らか
    で、粘らず完全に溶けるものが上品である。